正しい歌の上達法

歌の上達ABC ボイストレーニング豆知識 その7

歌が上手くなりたい、プロのように歌いたいという方は多いと思います。
最後に歌に取り組むにあたっての考え方をお話しします。

7.歌が上手くなるということ

歌の上達には次の「3つのこと」が必要です。

・正しい知識と練習方法を学ぶ
・毎日練習する
・高い意識を持つ

そもそも良い歌、上手い歌とはなんでしょう?

声がいい、音程が正しい、感情がこもっている etc・・・どれも正解です。

歌は「表現」です。

「表現」とは自分を表すこと。
自分の中にある「伝えたいこと」を「誰かに届ける」ための手段です。

つまり良い歌とは、「いい表現ができている歌」ということになります。
大事なことは「表現ができているか」ということです。

逆に「良くない歌」とは、表現ができていない歌と言えるかもしれません。

表現をするためにには、そもそも「伝えたいこと」がなくてはなりません。
「伝えたいこと」がなく、何の考えもない歌、自分の欲求を満たすためだけの歌は、他人から見れば、残念ながら「良くない歌」と言わざるをえません。

声を出して歌っていれば気持ちがいいものです。
でもそれだけでは単なる自己満足です。

カラオケボックスでストレス発散するのも確かに歌ですが、そのような歌を聞いて、人は果たして感動するでしょうか?(カラオケ自体を否定するつもりは決してありません。)

自分が楽しいのは大前提です。歌がうまくなりたいということは、歌が好きで好きで仕方がないわけですから。 歌い手が楽しんでいない歌もまた「良い歌」ではありません。

しかし、いくら「伝えたいこと」があっても、それがイメージどおりに「表現」されていなければ、他人には伝わりません。

歌=表現
表現=伝えること


良い歌とは、
伝えたいことがあって、それを きちんと表現できている歌

だということを、ぜひ覚えておいて下さい。

正しい表現の方法を学ぶ

表現は自由です。

ですが、人に伝えるための表現には、技術・テクニックが必要です。

いくら「伝えたいこと」があっても、それを正しく伝える技術がなくては、人には届きませんからね。

言葉と一緒です。

どんなに素晴らしい考えが頭の中にあったとしても、それを相手が理解できる言葉で表現しなければ、伝わりません。そのために私達は言葉を手に入れ、そしてより正確に伝えるために様々なボキャブラリーや文法を勉強してきました。

歌には過去の偉大な音楽家たちが長い間かかって築き上げてきたボキャブラリーや文法(決まりごとや方法論)があります。それは、音程であったり、リズムであったり、発声であったり、テクニックであったり、表現方法であったりします。

人に伝えるためには、そうした「歌のボキャブラリーや文法(決まり事)」が必要であり、それを学び手に入れなければなりません。

そのためにはどうしてもテクニック(技術)が必要になるわけです。

正しいトレーニングとは

テクニック(技術)を身につけるには、正しいトレーニングをするしかありません。

正しいトレーニングとは何でしょうか。

世の中に歌のトレーニング方法はたくさんあります。
しかし残念なことに、中には「正しくない」と言える練習方法を教える指導者がいるのも事実です。

「正しくない練習方法」とは、例えば、
・ 歌(または音楽)の本質を理解していない練習
・ 自ら練習を積んでいないトレーナーによる練習
・ 体のメカニズムを理解せずに作られた練習
・ 生徒が楽しんで継続できない練習
・ 生徒の適性にあっていない練習
・ ごく一部の天才のための練習
などです。

歌が好きでせっかく習いに行ったのに、いつまでたっても上手くならず、自分に自信がなくなってしまうかもしれません。もしかしたら、歌が嫌いになってしまうかもしれません。

これはとても不幸なことです。ぜひ自分に合ったトレーニングを見つけて下さい。

継続は力

どんなに素晴らしい練習内容でも、毎日継続しなければ意味がありません。

歌は体という楽器を奏でることです。 その奏法を身につけるには、地道な練習は欠かせません。ひたすら反復練習を繰り返すことで、

体(筋肉)に正しい動き(=良い音を出す動き)を覚えこませる

ことができるのです。

プロスポーツ選手は、小さい頃から毎日毎日、血のにじむような反復練習を積んで技術を身につけます。そしてプロになった後でも、素振りなどの練習を欠かしません。

週に1回スクールに通ったからといって決して上手くなるわけではないのです。

大事なことは、

・毎日欠かさず続けられる強い信念
・(それを支える)楽しく飽きないトレーニング


です。


高い意識を持つ。

毎日欠かさず練習をすることは生易しいことではありません。仕事や勉強などがある人もいるでしょうし、様々な誘惑もあるかもしれません。

そうした生活の中で、歌の練習を続けるためには、「高い意識」が必要になります。

「高い意識」とは、言いかえれば、「志(こころざし)」です。

何のために歌がうまくなりたいのか、うまくなってどうしたいのか・・・という目的意識です。

そして何より「歌が好き」であるということ。「やる気と情熱」です。
絶対に上手くなってやる、という強い気持ちが大事なのです。


プロになるということ。

最後に、これを読んでいただいている方の中には、プロになりたいという方もいらっしゃると思います。

歌がうまくなれば、絶対プロになれる!

・・・ わけではありません。

プロになる・ならないは結果であり、運やタイミングもあります。残念ながら、実力があっても、全員がプロになれるわけではありません。

人の心を打つような素晴らしい歌をうたうことは、「プロという駅」に向かう列車の乗車券を手に入れたに過ぎないのです。

自分の好きなことを職業に出来るということは、本当に素晴らしいことです。そして自分の仕事で、人に多くの感動を与えられることは、自分にとっても社会にとっても、最高に幸せなことです。


最後に。

声の仕組み、ボイストレーニングの目的はイメージしていただけましたか?

歌の上達にはボイストレーニングは絶対必要なことです。基礎がしっかりできていれば、さらに様々なテクニックを身につける土台になります。

繰り返します。

技術は訓練で身につきます。

ぜひ頑張って練習をして、人を感動させる素晴らしい声と歌のテクニックを手に入れてください。

そしてプロを目指す人は「乗車券」を手に入れて下さい。

1人でも多くの方、日本中が素晴らしい歌で溢れることを心から願っています。



≫ 独学では身につきにくい上達のツボを伝授!


プロを目指す カラオケも上達 無料体験レッスン