あいうえ音楽理論 for ボーカル

11.スケールとコードの関係

では、次にスケールとコードの関係についてご説明します。
スケールとコードというのは、とても密接な関係にあります。

この仕組みを理解することは、作曲やアレンジ(編曲)をする際にも大変役に立ちます。コーラスパートでハーモニーをつけるときにも、この仕組みを知っているか知っていないかでは大違いですからね。

では、Cメジャースケールを例にしてお話します。

Cメジャースケール(C アイオニアン)

コードの授業では、コードをルートから様々な音程を積み重ねて作りましたが、コードというのは、実は、スケールの中から音を抜き出して積み重ねたものでもあるのです。

上のCメジャースケール(アイオニアン)のルート・3度・5度・7度を抜き出して、コードにしてみましょう。

C△7のコードになりました。

では、Dドリアンも同じように1・3・5・7度を抜き出してみましょう。

D ドリアン


Dm7になりました。

このように全部のスケールでやってみると次のようなコードが出来上がります。




なんと前回勉強したスケールトーンセブンスコードになりました。

実は、スケールトーンセブンスコード(ダイアトニックコードも同様)は、7つのスケールから出来たものなんです。

I△7I アイオニアンから生まれたもの、IIm7II ドリアンから生まれたもの・・・・・というわけです。

別の言い方をすれば、I△7の中には、I アイオニアンが隠れている、IIm7の中には、II ドリアンが隠れている、、、、ということですね。

どうしてこんなややこしいことをしているかというと、今、1、3、5、7度を抜き出してコードを作りましたが、残りの2、4、6度テンションになるからなんです。

テンションを探そう

テンションとは、セブンスコードにさらに3度ずつ積み重ねたものでした。
7度から上なので、9th、11th、13thとなりましたね。
C△7で説明すると、この9th、11th、13thは、それぞれレ(D)・ファ(F)・ラ(A)ですね。

C△7はCアイオニアンと関係があるから、CアイオニアンのM2と9thは同じ音(D)になります。



スケールの1、3、5、7がセブンスコードになって、残りの2、4、6が、テンションになるというように理解しておいて下さい。


これは何を意味しているかと言いますと、テンションにはナチュラルテンションオルタードテンション含めて、7種類しかありませんでしたが、C△7(Cアイオニアン)というコードには、テンションは9th、11th、13thナチュラルテンションしか付かないということなんです。

同じようにDm7(Dドリアン)でも見てみましょう。



これをテンション表記に変えてみると、

Dm7(Dドリアン)のテンション


これもC△7(Cアイオニアン)と同じく、9th、11th、13thナチュラルテンションしか付かきませんね。

では、Em7(Eフリジアン)だとどうでしょう。

Em7(Eフリジアン)のテンション



11thはナチュラルテンションですが、9と13が短2度・短6度だから、♭9、♭13のオルタードテンションになっていることが分かります。

ここで大事なことは、Dm7もEm7も、コードとしては同じマイナーセブンですが、隠れているスケールが違うために、使えるテンションが違っているということです。

さらに、F△7(Fリディアン)でも確認してみましょう。

F△7(Fリディアン)のテンション


今度は、C△7とF△7は同じメジャーセブンなのに、元のスケールがアイオニアンとリディアンで違うから、使えるテンションが、FM7では#11thになっています。

ここでちょっと問題です。
曲の中に、C△7というコードが出てきました。このC△7に隠れているスケールはなんでしょう?

C△7だから、Cアイオニアン。

それだと正解ではありません。
C△7がCアイオニアンということは、Cメジャースケールの中の音階を使った場合でした。
アイオニアンは、メジャースケールを1番目から並べたスケールですからね。

ここでスケールトーンセブンスコードを思い出してみましょう。

Cメジャーキーのスケールトーンセブンスコード


これで見るとたしかに、C△7は1番目のコード(アイオニアン)になります。
では、これを度数表示に直してみましょう。

スケールトーンセブンスコード(度数表示)

I△7
IIm7
IIIm7
IV△7
V7
VIm7
VIIm7(♭5)


メジャーセブンというコードは、1番目(I) と 4番目(IV) に出てきましたね。
つまり、C△7というコードは、Key=C(Cメジャースケール)の中では、1番目(I)に出てくるけど、他のキーでは4番目(IV)に出てくる可能性があるということなのです。

実際の曲の中で、C△7が出てきたからといって、その曲がCメジャーキーじゃなかったら、そのC△7はI△7ではないってことなんです。

C△7が4番目に出てくるキーってなんでしょう?

Cが4番目ということは・・・1番目はGですね。

Key= G


C△7が4番目に出てくるキーはGメジャーキー(ト長調)だね。
4番目に出てくるスケールはリディアンですから、C△7が曲の中で出てきたら、隠れているスケールの可能性は、CアイオニアンかCリディアンということになります。

つまり全く同じコードでも、その曲のキーが違えば、隠れているスケールが違い、使えるテンションも違うということなのです。

もし、Key=C でC△7がでてきたら、そのとき使えるテンションは、9th、11th、13th、つまり、レ(D)、ファ(F)、ラ(A)です。

ところが、もしKey=Gの中でC△7が出てきたら、9th、#11th、13th、つまりレ(D)、ファ#(F#)、ラ(A)になるわけです。

Key=Gということは、ファは#ですから(ソ・ラ・シ・ド・レ・ミ・ファ#)、当然と言えば当然ですね。

では最後に、残りのテンションも確認しておきましょう。

G7(Gミクソリディアン)のテンション


Am7(Aエオリアン)のテンション


Bm7(b5)(Bロクリアン)のテンション


コードとスケールの関係、そしてテンションの仕組みは理解できましたか?

以上で、あいうえ音楽理論 for ボーカルは終了です。ありがとうございました。

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