歌がうまい!と言われるための究極奥義<その4>ピッチ音程

歌がうまくなりたいと思っている方の一番気になることは、おそらく音程(ピッチ)ではないでしょうか。たしかに音程をピッタリ合わせることは、歌というか音楽の基本です。

音程が良くないと、他がどんなに良くても歌は台無しになってしまいます。でもピッチ・音程を正確に取るのは、意外と難しいものです。

音程を良くするにはどうしたらいいのでしょうか。


<奥義その4 ピッチ・音程を極める>

ピアノやギターなどの楽器であれば、楽器のチューニングさえ合っていれば、誰でも正しい音程で演奏することは簡単です。ですが、歌はその人の音感で音を取らないといけないので、正しい音程を取るのは難しいのです。

楽器ならチューニングメーター(楽器の音程を合わせる機械)を使えば、ピッタリ音程を合わせることができます。歌にも同じことが言えます。

つまり、体を楽器とみなして、体自体のチューニングを合わせる必要があるのです。

<ポイント1> 体のチューニングを合わせる

まず正確な音程を体に覚させることから始めましょう。音程が悪い人の原因の一つは、思っている音程を体が出せていないことです。

ですが自分ではなかなか合っているのか判断することができません。合っているつもりになっていることがよくあります。ここで登場するのが、チューニングメーター(以下チューナー)です。

チューナーを使って、自分が出していると思っている音と実際に出ている音の差を客観的に確認してみましょう。チューナーは数千円程度で買えますから、歌を練習する人はぜひ手に入れてください。

チューナーに向かって「アー」と声を出すと、メーターが触れます。正しい音程ならメーターは中心を差しますが、声が震えていたり、音程がずれていると、中心を差しません。測ってみると、多くの人は実際の音程は低いはずです。

正しい音程を身につけるには、正しい音程をたくさん聴いて音感を良くするしかありませんから、日頃から自分の歌を録音してどこが合っていてどこが合っていないか、丁寧に調べる習慣をつけるといいですね。

<ポイント2>正しい発声を身につける

音感が良くても、それを正確に声に出すには、声帯のコントロールが必要です。声帯をコントロールするには、正しい呼吸・発声ができないといけません。

音程の悪い人は、呼吸・発声ができるようになると改善されることが多いです。声帯を動かす筋肉に力が入っていたり、声を当てる位置が間違っていると、正しく音程を取ることができません。声帯をリラックスさせる腹式呼吸や、声を正しい位置に当てて体を共鳴させる発声が必要なんですね。そのためには地道にボイストレーニングをするしかありません。

<ポイント3>音程のズレを感じさせない歌い方

音程を良くするには、体を根本的に鍛えなおす必要がありますが、歌い方で、悪い音程もそれほど気にならなくする方法があります。メロディー全部を正確な音程で歌うのはとても難しいですが、メロディーの中の耳につく部分だけを良くするだけで、歌はグンと上手く聴こえます。

多くの人は出だしの音ばかり合わせようとしますが、実は出だしの音よりも耳につく部分があります。それは、

・音が高い部分
・音が長い部分

です。人間の耳は低い音よりも高い音に敏感に反応する傾向があります。フレーズの中の一番高い音の音程が合っていると、歌全体の音程がよくなったように聞こえるのです。フレーズごとの最高音を正確に歌えるようにすると、上手く聴こえます。

それから、もっと大事なのが伸ばす部分、特にフレーズの最後の音です。音が長く鳴っていればそれだけ印象が強いわけですから、その部分を正確に歌えば上手く聴こえます。中でもフレーズの最後の音は特に印象に残ります。

前の回にも言いましたが、フレーズの語尾をあまり意識しない方が多いものです。語尾の音を正確に取ると格段に上手く聴こえます。全部の音を正確にとるのが理想ですが、ポイントを押さえるだけで、音程が良くなったように聴かせることが可能ですから、ぜひチャレンジしてみてください。

今回は以上です。お疲れ様でした。

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