プロがボーカルの悩みを解決します Q100:私は14歳の当たりから1人で歌の練習をしています。録音したり抑揚をつけてみたり友人に聞いてもらったりしています。友人に感想を聞くとうまい、けど…と言われます。抑揚、リズム、音程、声は良いらしいのですが毎回何かが足りないと言います。僕には何がたりないのでしょうか?ついでで申しわけないのですが抑揚をもっと付けるには具体的にどんな練習をすればいいのでしょう
か?(男性・16歳・学生)

こんにちは。ご相談ありがとうございます。

質問者さんの実際の歌を聴いていないので、具体的なアドバイスは難しいのですが、出来る範囲で述べてみたいと思います。

プロでも「確かにうまいけど・・・何かが足りない(心に響かない)」という歌手は結構沢山います。

その「何か」は何なのか。音楽のプロであるプロデューサーやスタッフでさえ分からない場合があるのですから、アーティストにとって永遠のテーマであると言えます。

歌(音楽)に限らず芸術全般に言えますが、技術だけでは人の心は動かせません。もちろん技術は大切ですが、プラスαの何かが必要です。

スポーツなら100mを何秒で走った、サッカーの試合で2vs0で勝ったというように明確な基準があります。なので、それを目指せばいいのですが、芸術の場合はそういう基準がないので、何を目指せばいいのか大変分かりにくい面があります。(ミリオンセラーを目指す!というのはありますが、自分自身の努力だけではどうにもならないので別のお話)


一つの考え方ですが、その「何か」を考えたところで分からないのだから、「考えない」というの選択肢もアリです。考えて作るものではなく、自然とその人からにじみ出てくるものだと考えるのです。

どうしたら人の心を動かす「何か」がにじみ出るのか。それは天賦の才能であったり、人生を賭けてすべてを犠牲にして、真剣に歌・音楽に取り組んだ結果ではないでしょうか。

質問者さんのご相談の趣旨とは少しずれるかもしれませんが、そういう生き様や才能が聴く人を感動させられるのです。遊ぶ時間・寝る時間を惜しんで音楽に取り組んでいる姿を見せれば、友人もきっと「すごい」と感動してくれるでしょう。


では今は何をすべきか。技術とメッセージ力、この2つを徹底的に磨いて下さい。オリジナリティ・個性などは考えなくていいので、とにかく上手くなること。そして同時に、どうしたら歌詞(言葉)を聴く人の心に届けられるかを考えるのです。

最後に抑揚の付け方ですが、歌詞をドラマの台本だと思って、俳優さんになったつもりで朗読してみて下さい。ドラマや映画でも棒読みの俳優さんがいたら、興ざめしてどんなに素晴らしいお話でもがっかりしてしまいますよね。歌でも「棒読み」は絶対にダメです。

気持ちを込めて、どうしたらその言葉が伝わるかを考えながら朗読すれば、自然に抑揚がつくはず。無理に抑揚をつけようとしても不自然になるので、おすすめできません。

その時、歌詞の意味・言いたいことを完璧に理解すること。もちろん歌詞を覚えるのも大事。無理に覚えようとしなくても、自分の一部になるくらい読み込んでいれば、自然に覚えてしまうはず。


抑揚には正解がありません。センスがすべてです。センスを磨くには、古今東西問わず、たくさんの良い歌・音楽を聴くことです。好きな歌手・ジャンルだけでなく、クラシックやジャズ、ブルース、ロック、R&B、その分野の一流アーティストを何でも聴いて下さい。そして出来たらコピーして下さい。

歌を聴いていないので、抽象的な話ばかりになってしまいましたが、プロ・アマ関係なく、上達するには音楽に取り組む考え方はとても大事です。

これからも楽しく練習を頑張って下さいね。ありがとうございました。


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