プロがボーカルの悩みを解決します Q88:いろいろな歌手の歌をラジオで聞いていると、歌詞がすごく聴こえてくる人とそうでない人がいるなと感じます。
私も言葉がしっかり伝わる歌を歌いたいと思うのですが、どんな要素が必要なのでしょうか。(パート・女・29)

こんにちは、ご質問ありがとうございます。

歌をうたう以上、聴いている人の心に響くような歌をうたいたいものですよね。 人の心に響く歌とはどんな歌でしょうか。声がいい。音程がいい。高い声が出る・・・などなど、歌には色々な要素がありますが、確かにどれも大事ではあります。ですが、一番大切なのは「歌詞が聴こえて来るか」どうかではないかと思います。

「歌詞が聴こえてくる」というのは、単に滑舌が良くて言葉が明瞭であるということだけではありません。もちろん滑舌は大事です。発音が雑だと言葉そのものが聞こえませんからね。最低限の発音の基礎は必要です。

またバックの演奏に負けない声量や声質、歌唱力も必要です。せっかく発音が良くても、声が弱ければかき消されてしまいますから(ミキサーで音量を上げるにも限界があります)。正しい呼吸・発声で歌うことも前提です。

しかしそれだけではプロのように「歌詞が聴こえて来る歌」にはなりません。何が違うのかというと、それは「歌に込める想い」です。歌詞の内容を伝えたい、共有したいという強い想いがあるからこそ、歌詞が前に出てくるのです。機械のように正確に発音をすれば、確かに「言葉」は聴こえてきますが、「歌詞・歌に込められた想い」は聴こえてきません。

歌詞を表面的になぞって歌うだけでは、決して人の心に響きません。お芝居と一緒ですね。棒読みではせっかくの感動的なセリフも台なしです。優れた役者さんは、そのセリフに込められた想いを理解して、登場人物になりきります。

歌詞の内容を理解し、自分なりに解釈し、聴いている人に届けるんだ!という気持ちでメロディーに乗せる。これが出来ていれば、「歌詞が聴こえてくる歌」=「歌が前に出ている歌」が歌えるようになりますよ!


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